清祀殿(せいしでん)は,JR(日田彦山線)採銅所駅の南1キロメートルにある。
香春岳の三ノ岳の北東麓である。建物の背後に峰が見えている。
古文書に,養老四年(720)に古宮八幡宮が宇佐神宮に神鏡を奉納したという記録があるが,ここ清祀殿が神鏡鋳造の跡地だとされている。
昭和三十一年(1956)に福岡県の文化財(史跡)に指定された。文化財としての名称は「清祀殿跡(せいしでんあと)」である。
拝殿風の建物の背後の中央に流造の祠が建っており,その左手に花崗岩の石柱が三基ある。この石は,完成した神鏡を安置するための「御床石」だという。
5分ほど山手に向かって進んだ所に,神鏡鋳造の祭祀をおこなった場所とされる神間歩(かみまぶ)がある。
(福岡県田川郡香春町大字採銅所)
2010.2.12