御子社(みこしゃ)は,太宰府天満宮の境内摂社で,天満宮本殿の背後に並んでいる。
左大臣の藤原時平に讒訴されて太宰府に左遷された菅原道真公(845-903)の四子の霊を祀っている。
四子はいずれも父に連座して各地に左遷された。
計六棟の社殿が並ぶが,手前の四棟が御子社である。
その奥の大きな社殿は老松社(道真公の父母を祀る),いちばん奥は福部社(道真公の恩師を祀る)。
御子社の裏の2本のクスは「夫婦樟」と呼ばれている。
左端が高視命の祠で,その右隣が景行命の祠。
嫡男の高視(たかみ)は土佐に遷された。後に赦されて大学頭に復したが,数年後,38歳で没した。
景行(かげゆき)は駿河に遷され,赦免後は東国に向かった。幼少期の平将門(?- 940)に学問を授けたとする伝承がある。
兼茂命(左)と淳茂命(右)の祠。
淳茂(あつしげ)は播磨に遷され,後に赦され官に復した。
兼茂は飛騨に遷され,延長元年(923)に赦され,都に戻った。
(福岡県太宰府市宰府)
2016.6.16, 2017.10.26