若宮八幡神社は,紅葉の名所として有名な田子倉湖畔のダムの近くに鎮座する。
はじめ田子倉の集落には50世帯290人が住んでいたが,昭和三十四年(1959)ダムの底に沈んだ。
そのおりに,村の鎮守として崇敬されていた当社をここに遷したのであろう。鳥居や灯籠は遷座後に造られたようである。
社殿の古い部材を残してコンクリートで頑強な補強がなされており,保存状態は良好である。
彫刻は麒麟であろうか。
狛犬は味わいのある造形で,「明治三十五年九月廿日」の刻銘がある。
ダムを見下ろす当社の周囲は,紅葉の時期は特に美しい。
(福島県南会津郡只見町大字田子倉)
2007.10.27