諸国神社めぐり

黒沼神社(福島市堂殿〈どうでん〉)

黒沼神社社頭
黒沼神社(くろぬまじんじゃ)は,JR(東北本線)福島駅の北北東1.7キロメートル,信夫山(268m)の南麓に鎮座する。
当社は『延喜式』(神名帳)所載の「黒沼神社」(陸奧國信夫郡五座の一)の候補である。
他の論社は,福島市松川町金沢の黒沼神社,福島市松川町浅川の黒沼神社である。
福島の地はかつて湖水で,成務天皇(第13代)の御代にその水神(黒沼大神)を祀ったのが当社の起源と伝える。
祭神については「黒沼大神と石比賣命」「石姫皇后」「石姫尊と闇御津羽神」など諸説がある。
石姫(いしひめ)は欽明天皇の妃で,この地の伝承によると,石姫は皇子とともに奥州に逃れ来てこの地に住んだとされる。
石姫がこの地で亡くなったので後に当社に祀ったと伝える。

黒沼神社拝殿
入母屋造の拝殿は安政三年(1856)の再建である。
黒沼神社本殿黒沼神社本殿
拝殿と離れて建つ本殿は神明造で,昭和十二年(1937)の改築である。

(福島県福島市堂殿)
2018.12.4


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