諸国神社めぐり

山名八幡宮(高崎市山名町〈やまなまち〉)

山名八幡宮鳥居
山名八幡宮(やまなはちまんぐう)は,山名駅(上信電鉄線)の北西200メートルに鎮座する。
創立年月は不明であるが,平安時代の末(12世紀後半),山名義範(新田氏の祖・新田義重の子。この地に入って山名氏の祖となった)が,豊前の宇佐八幡宮より勧請したと伝える。(義範の末裔は,応仁の乱で西軍の指揮をとった山名宗全(1404-1473)である。)
祭神は,玉依比売命,氣長足姫命,誉田和氣命の三柱である(現在の宇佐八幡宮の祭神とは異同がある)。
二の鳥居の近くには,八坂神社,琴平神社,妻戀稲荷神社(二社)が祀られ,また神馬像もある。
山名八幡宮拝殿山名八幡宮拝殿の額
山名八幡宮拝殿唐破風の彫刻山名八幡宮拝殿の彫刻山名八幡宮拝殿の彫刻
石段を登ったところに社殿が建っている。
社殿は本殿・幣殿・拝殿が一体となった権現造であるが,まず本殿と幣殿が一体として明和年間(1764-71)に建てられ,後に拝殿が建てられたとされる。
山名八幡宮本殿と幣殿山名八幡宮本殿の彫刻
本殿には,群馬を代表する彫物師の関口文治郎が施した豪華な彫刻が見られ,貴重である。
本殿彫刻のモチーフは六種類の神獣である。
山名八幡宮本殿の彫刻(蜃と象鼻)山名八幡宮本殿の彫刻(鳳凰と龍)山名八幡宮本殿の彫刻(獏と唐獅子)
蜃(左上),象鼻(左下),鳳凰(中上),龍(中下),獏(右上),唐獅子(右下)。

山名八幡宮本殿の裏山名八幡宮本殿の裏神様
本殿は背面にも破風屋根を持つ様式で,獅子頭が「裏神様」として祀られている。疳の虫や厄を喰い切る神獣であるという。

山名八幡宮境内の陰陽木と陰陽石
二の鳥居の近くに陰陽神木と陰陽石がある。
また,八坂神社,琴平神社,妻戀稲荷神社(二社)が祀られ,また神馬像もある。
山名八幡宮境内社山名八幡宮境内の厳島神社
拝殿脇の一画に厳島神社(弁財天)などが祀られている。

山名八幡宮一の鳥居山名八幡宮参道
県道30号に面した一の鳥居から参道を進むと,参道が上信電鉄の下を潜る。昭和五十三年(1978)に立体交差となったようである。 立体交差の先に随神門があり,神馬と随神がそれぞれ左右に祀られている。
その向こうに二の鳥居があり,石段となる。

(群馬県高崎市山名町1581)
2016.10.30

山名八幡宮(公式サイト)


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