諸国神社めぐり

月讀宮 月讀荒御魂宮(伊勢市中村町〈なかむらちょう〉)

月讀宮全貌
月讀宮(つきよみのみや)と月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)は,五十鈴川駅(近鉄鳥羽線)の南東500メートル,県道12号(伊勢南勢線)と国道23号(南勢バイパス)に挟まれた場所に鎮座する。
いずれも皇大神宮(内宮)の別宮である。また,『延喜式』(神名帳)所載の「月讀宮 二座(荒御魂命一座)」に比定される古社でもある。
「月讀宮二座」は,初めは別の場所に鎮座したが,仁寿三年(853)の洪水で社殿や神宝を流失し,斉衡二年(855)に現在地に移転して再興したという。
もともと「二座」であるが,月讀宮には増作の記録があるのに対し,荒御魂宮は,諸文献に「月讀宮小殿」などと見え,しだいに衰微したようである。
荒御魂宮の殿舎は,明治六年(1873)に月讀宮の隣に再興された。現在では,月讀宮と月讀荒御魂宮は同一様式の同規模の殿舎として造営されている。
月讀宮
月讀宮の祭神は月讀尊(つきよみのみこと)である。
月讀荒御魂宮
月讀荒御魂宮の祭神は月讀尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)である。
両宮とも2014年10月に遷宮がおこなわれた。

月讀宮遠景
洪水の災をうけて移転した現在の宮地は小高い丘になっている。
同じ域内に伊佐奈岐宮と伊佐奈彌宮(いずれも皇大神宮別宮で延喜式内社)も鎮座する。

(三重県伊勢市中村町)
2015.9.29


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