諸国神社めぐり

崇道神社(京都市左京区上高野西明寺山〈かみたかのさいみょうじやま〉)

崇道神社社頭
崇道神社(すどうじんじゃ)は,叡山電車(本線)三宅八幡駅の北東500メートル,上高野西明寺山の南麓に鎮座する。
社頭の社号標や鳥居の表記は「崇導神社」で統一されている。
当社は早良親王(さわらしんのう)を祭神とする。
早良親王は,光仁天皇(第四十九代)の皇子で,桓武天皇(第五十代)の同母弟である(母は百済系渡来人の高野新笠)。
延暦四年(785),桓武天皇の寵臣である藤原種継(ふじわらたねつぐ)が暗殺され,嫌疑が早良親王に及び太子を廃された。
親王は無実を訴えて絶食し,淡路への配流の途次,恨みを抱いて没した。
その後,桓武天皇の親族の急死や疫病水災などの凶事が続いた。陰陽師によって早良親王の祟りであることが明らかとなり,天皇は恐れ,延暦十九年(800),親王に「崇道天皇」を追号した。
早良親王を祀る神社は,崇道天皇陵(奈良市)周辺にいくつかあるが,当社は平安京の鬼門の守護として創立されたと思われる。

崇道神社参道鳥居崇道神社参道鳥居
社頭から社殿に至る長い参道に計三基の鳥居がある。
崇道神社社殿
社殿の前に立砂がある。
崇道神社本殿

社殿のすぐ下に,当社の西方430メートルから遷された伊多太神社(『延喜式』所載の古社)の祠がある。
崇道神社を,『延喜式』(神名帳)所載の「出雲高野神社」とする説があり,境内に出雲高野神社と称する小祠がある。
また,『延喜式』(神名帳)所載の「小野神社」の跡に崇道神社が創立されたとする説があり,これにもとづいて境内に小野神社の祠が建てられた。

以上のほか,いくつかの境内社が鎮座する。
崇道神社境内の豊受皇大神宮・天照皇大神宮崇道神社境内の
天照皇大神宮・豊受皇大神宮と北野天満宮・辨財天大神・宇佐八幡大神・市杵嶋姫命大神。
崇道神社境内の春日大神・赤山大神・十二社大神崇道神社境内の春日大神・赤山大神・十二社大神
春日大神・赤山大神・十二所大神と貴布彌大神・日吉辻大神合祀・恵比須大神。

(京都府左京区上高野西明寺山町34)
2017.12.12


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