諸国神社めぐり

鹽竈神社(塩竈市一森山〈いちもりやま〉)

鹽竈神社社頭
鹽竈神社(しおがまじんじゃ)は,JR(仙石線)本塩釜駅の西850メートル,一森山の山頂に鎮座する。
創立の時期は不明であるが,「鹽竈神」の名が平安時代初期の文献に見え,当社の起源は奈良時代以前に遡ると考えられる。
奈良時代に設けられた国府(多賀城)の鬼門の方角に当社は位置する。
『延喜式』(927年)の「神名帳」に当社が見えないのは不審であるが,中世以後,陸奥国一の宮として厚い信仰を集めた。
現在の祭神は,鹽土老翁神,武甕槌神,経津主神の三柱である。
東北地方の平定に来た鹿島の神(武甕槌)と香取の神(経津主)の先導を鹽土老翁神が勤めたとされる。
武甕槌と経津主は帰還したが,鹽土老翁は当地にとどまり民衆に製塩法などを教えたとされ,当社の主祭神である。

鹽竈神社唐門鹽竈神社唐門額
表参道の石段の先に楼門(随身門)があり,その先に唐門がある。
唐門の額には「一宮鹽竈三社大明神」とある。

鹽竈神社左右宮拝殿鹽竈神社左右宮本殿
唐門正面に拝殿(朱漆塗銅板葺,入母屋造)が建つ。右宮に経津主神を,左宮に武甕槌神を祀る。
拝殿の奥に二棟の本殿(素木造檜皮葺,三間社流造)が見える。
鹽竈神社別宮拝殿鹽竈神社別宮本殿
主祭神の鹽土老翁神は,独立の別宮に祀られている。
左右宮も含め,現在の社殿は宝永元年(1704)竣工の貴重な建築物である。
平成十四年(2002),本殿,拝殿,唐門,廻廊,楼門などが国の重要文化財に指定された。

鹽竈神社末社
境内の西隅に末社(稲荷神社,住吉神社,八幡神社,神明社)が並んでいる。

鹽竈神社末社
表参道の東250メートルから始まる七曲坂(ななまがりざか)はもっとも古い参道だという。

(宮城県塩竈市一森山1-1)
2020.9.11

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