諸国神社めぐり

美和神社(長野市三輪〈みわ〉)

美和神社鳥居
美和神社(みわじんじゃ)は,長野電鉄(長野線)本郷駅の北西に,南向きに鎮座する。
『延喜式』(神名帳)所載の古社(水内郡九座の一)である。
また『三代実録』(巻十二)の貞観八年(866)二月七日の条に載せる神祇官の奏言に「信濃国水内郡の三和と神部の両神が怒り,戦乱と疾病をもたらす」と,当社の祭神への言及がある。
この時,朝廷の命で金剛般若経千巻と般若心経万巻を読んで神の怒りを鎮めたという。
現在の祭神は大物主命で,相殿に國業比賣神と神部神(神服部神)を祀っている。
『三代実録』(巻五)には,貞観三年(861)に國業比賣神が従五位下に叙せられたことが記されている。
旧三輪村の産土神で「美和明神」「三輪明神」と称したが,安永年間に現社号に改めた。
明治六年(1873)に村社に列せられ,昭和十年(1935)に県社に昇格した。
現在は「善光寺七社」の一社である。

美和神社拝殿
美和神社本殿
本殿は寛政五年(1793)の建立という。
美和神社社殿全貌
社殿の全貌。

美和神社境内の石祠
境内に多くの石祠が並び,通称「百末社」とも称される。
美和神社境内の大青麻彦神社大青麻彦神社の石祠
境内に青麻神社(あおそじんじゃ)の石祠がある。
本社は仙台市宮城野区の青麻神社(あおそじんじゃ)である。
中風病の退除,家内安全の神徳があるとされる。
明治期,中風に悩む当地の某氏が青麻神社を勧請して境内に一社を建立したところ中風が全快したという。
大青麻彦神社の石祠
本社社殿の横に巨木が二本あり,その根元に縁結比乃大神の石祠が祀られているが由緒等は不詳。

(長野県長野市三輪8丁目1)
2017.9.3


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