諸国神社めぐり

生島足島神社(上田市下之郷〈しものごう〉)

生島足島神社西鳥居
生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)は,上田電鉄(別所線)下之郷駅の南300メートルに鎮座する。
『延喜式』(神名帳)に「生嶋足嶋神社二座」(小縣郡五座の二)と記載される古社で,社格は「名神大社」である。
創立年月は不詳であるが,建御名方富命(諏訪大社の主祭神)が出雲から諏訪に下向する途中,この地で二神を祀ったと伝える。
祭神は生島大神と足島大神で,日本の国土全体の守護神とされる。
この地で太古から信仰されていた土着の神とも思えるが,宮中で祀られていた神でもあり,『延喜式』の「宮中神卅六座」に「生嶋巫祭神二座」の祭神として生嶋神と足嶋神が見える。
また大阪市の生國魂神社(いくくにたまじんじゃ)も同じ神を祭神としている。

生島足島神社神橋と社殿
生島大神と足島大神を祀る「上宮」の社殿は神池に囲まれた神島に建っている。本殿,拝殿は昭和十六年(1941)に再建された。
生島足島神社御本社生島足島神社御本社本殿
本殿のように見える建物は覆屋で,内部に天文年間(1532-1555)建造の「内殿」があるらしい。
内殿には床板がなく,土間(大地)を御神体とするという。

生島足島神社境内の諏訪神社生島足島神社境内の諏訪神社生島足島神社境内の諏訪神社
御本社(上宮)の北に摂社の諏訪神社が,御本社と向かいあって建っている。祭神は諏訪大明神,八重事代主命,八阪刀賣命である。
諏訪神社の社殿は,慶長十五年(1610)に真田信之によって再建されたとされ,同時期の建築と推定される門とともに長野県の県宝に指定(平成十四年)されている。

生島足島神社境内の十三社
上宮の隣に十三社がある。祭神は祓戸神十三柱(瀬織津媛神,速開津媛神,伊吹戸主神,速佐須良媛神,底筒男神,中筒男神,表筒男神,神直日神,大直日神,綿津見神,八衢彦神,八衢媛神,泉津事解男神)である。
生島足島神社境内の御歳代御仮殿
神池の西に御歳代御仮殿(みとしろおかりでん)が建っている。
建御名方富命,豊受姫神,大年神,御年神,建速素盞嗚命,若宇加能賣能命,罔象女神を,七月の一ヶ月間だけ祀る。
境内にはこのほか,荒魂社(生島大神と足島大神の荒御魂),秋葉社(軻遇突智神),八幡社(譽田別尊,玉依比賣命,伊弉冉尊),子安社(木花開耶姫命,彦火瓊瓊杵尊)がある。

(長野県上田市下之郷字中池西701)
2019.7.1

式内大社 生島足島神社公式ホームページ(公式サイト)


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