諸国神社めぐり

阿比太神社(箕面市桜ケ丘〈さくらがおか〉)

箕面市桜ケ丘の阿比太神社
阿比太神社(あびたじんじゃ)は,阪急電鉄(箕面線)桜井駅の北1.2キロメートルに鎮座する。
当社は『延喜式』神名帳所載の「阿比太神社」(豐嶋郡五座の一,大社)に比定されている。
現在の祭神は素戔嗚尊で,江戸時代には当社は牛頭天王と称していた。
「アビタ(アヒタ)」とは変わった社号であるが,物部氏に連なる阿比太連(アヒタムラジ)とかかわるとも解釈されている。
『日本書紀』の継体天皇十年の記事に「百済が日本人の斯那奴阿比多(シナノアヒタ)を派遣した」とある。また欽明天皇十一年に引く『百済本記』に日本からの使者として「阿比多」の名が見える。しかし『日本書紀』に見える阿比多なる人物と阿比太神社の関係は不明。
社伝では当社の創建は応神天皇三年という。『続日本後紀』の嘉祥三年(850)の記事に「摂津国豊島郡の阿比太神社に従五位を授く」と,当社の名が見えている。(なお『延喜式』神名帳の越後国頸城郡に「阿比多神社」があり,新潟県上越市長浜の阿比多神社が比定されている。)
箕面市桜ケ丘の阿比太神社
阿比太神社社殿阿比太神社本殿
社殿は昭和五十年(1975)に竣工したもの。
阿比太神社狛犬(吽形)阿比太神社狛犬(阿形)
拝殿前の狛犬は文化十四年(1817)寄進。

阿比太神社境内社
境内に大杉稲荷神社が建っている。伏見稲荷大社三之峯から分霊したという。

(大阪府箕面市桜ケ丘1丁目)
2008.2.18


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