諸国神社めぐり

恩智神社(八尾市恩智中町〈おんぢなかまち〉)

恩智神社一の鳥居
恩智神社は,近鉄(大阪線)恩智駅の東1.5キロメートルに鎮座する。
当社は『延喜式』(神名帳)の河内國高安郡十座の一,明神大社に列せられる古社で,「河内国二の宮」として崇敬を集めている(「一の宮」は当社の北方約8キロメートルに鎮座する枚岡神社)。
旧鎮座地は,西方700メートルの「天王の森」(現在は恩智神社の頓宮)である。その地から縄文後期の土器などが出土したことを考えると,そこは太古の祭祀場であり,その聖地に祭られた当社の創建も相当に古い時期に遡ると思われる。
現在の祭神は大御食彦命と大御食姫命の二柱である。食物にかかわる古い信仰を起源とするのであろう。
しかしながら当社自身の掲げる由緒によると,当社は手力雄神(タヂカラヲ)を祭神として雄略天皇のころ(五世紀)に創建されたという。この神は神功皇后の朝鮮侵攻の際,住吉神とともに功績があったという。
さらに奈良時代になって藤原氏が天児屋根命(アメノコヤネ)を常陸国から勧請したが,天児屋根命は宝亀年間(770-780)に枚岡神社(東大阪市出雲井町)に遷り,さらに大和国の春日大社(奈良市春日野町)に遷ったため,それ以後は祭神を大御食彦命と大御食姫命に改めたという。
一ノ橋恩智神社参道
大鳥居から500メートルほど坂道を登ると,「一ノ橋」があり,そこから拝殿まで急な参道(131段)が続く。

恩智神社拝殿恩智神社拝殿の額
拝殿は平成十二年(2000年)の建築である。
恩智神社本殿(大御食津姫命と大御食津彦命)
本殿は,拝殿から離れて建っている。大御食津姫命と大御食津彦命の,それぞれの本殿が並んでいる。

玉垣内には主祭神の二柱とは別に,天川山に鎮座した奥宮の天川神社(春日辺大明神)が末社として遷され,祭られている。
このほか本社の周囲にいくつかの境内社が祭られている。→恩智神社の境内社

(大阪府八尾市恩智中町5丁目)
2012.6.14

恩智神社(公式サイト)


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