諸国神社めぐり

大依羅神社(住吉区庭井〈にわい〉)

大依羅神社南参道入り口
大依羅神社(おおよさみじんじゃ)は,地下鉄(御堂筋線)あびこ駅の南東800メートル,阪南高校と大和川に挟まれた場所に鎮座する。
創立年代は不詳であるが,『延喜式』所載の古社(摂津国住吉郡二十二座のうちの四座)である。
往古この一帯を支配した依羅氏(依羅吾彦〈よさみあびこ〉)が祖神を祀ったのが起源と考えられ,住吉大社に次ぐ大社であった。
現在の祭神は建豐波豆羅和気王,底筒之男命,中筒之男命,表筒之男命の四柱であるが,元来の祭神には諸説がある(拝殿前の掲示板「大依羅神社御祭神」には,『特選神名牒』の説である「大己貴命,月讀命,垂仁天皇,五十猛命」の四柱も加えられている)。
建豐波豆羅和気王は『古事記』によれば開化天皇の御子である。依羅氏(渡来系とも考えられる)の系譜が皇統に結びつけられたのであろう。
明治以降,周辺の諸社が当社に合併された。苅田の草津大歳神社(草津大歳大神),我孫子の我孫子神社(建速須佐男大神),努能田の奴能太比賣神社(奴能太比賣大神),山内の山内神社(素盞嗚命)などである。
このうち草津大歳神社(くさつおおとしじんじゃ)と奴能太比賣神社(ぬのたひめじんじゃ)も『延喜式』所載の古社である。
また境内社として,苅田の道祖神社(八衢比古命,八街比賣命),稲荷社,菅原神社,神功皇后社などがあり,このほかにも多くの石祠や石塔が集められている。
大依羅神社四脚門
長い参道を進むと,寺院風の四脚門が建っている。
大依羅神社拝殿大依羅神社本殿
拝殿,本殿ともコンクリート製である。旧社殿は,昭和四十四年(1969)に放火と見られる火災で焼失した。

大依羅神社境内大依羅神社境内白龍大神
菅原道真,天照大御神,豊宇氣毘賣大神を祀る祠(2基)。白龍大神,イト大神,ハツ大神,金丸大神,光国大神の石塔。
大依羅神社境内道祖神社大依羅神社境内稲荷社
道祖神社(八衢比古大神,八衢比賣大神,久那斗大神)と稲荷社(倉稲魂大神)の祠。

大依羅神社境内の龍神社
当社は阪南高校のグラウンドに隣接するが,龍神社(龍大神を祀る)だけが,不自然に学校の敷地にせり出している。
かつて境内への移転を試みたが,ある事情で動かすことができなかったという。

大依羅神社北側参道入り口
境内北側の参道は落ち着いた雰囲気がある。

(大阪府大阪市住吉区庭井2丁目18-16)
2014.7.17


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