諸国神社めぐり

産湯稲荷神社(天王寺区小橋町〈おばせちょう〉)

天王寺区小橋町の産湯稲荷神社社頭
産湯稲荷神社は,地下鉄(千日前線)鶴橋駅の西400メートルに鎮座する。
当社は比賣許曾神社(東成区東小橋)の境外摂社であるが,この産湯稲荷神社が比賣許曾神社の故地ともされている。
当社の創立の由緒は不詳であるが,この地に関していくつかの伝承がある。
大国主命と多紀理比賣命の間に生まれた阿遅鉏高日子根命(味耜高彦根命)が味耜山(愛具目山,愛来目山,小橋山)に降臨したおり,この地を穿ち,清泉が湧き出したと伝える。
阿遅鉏高日子根命の妹は下照比賣命で,当社の主祭神である。
その後,十三代成務天皇の時,大小橋命(オホヲバセノミコト,天児屋根命の十三世の孫)がこの地に生まれ,この地の清泉を産湯に用いたという。
産湯稲荷神社
現在の祭神は,下照比賣命のほか大小橋命と宇賀魂命である。
産湯稲荷神社境内
社殿の横に多くの石碑が祀られている。

産湯稲荷神社境内の産湯玉ノ井
境内に残る伝説の泉は「産湯玉ノ井」と呼ばれている。
井戸の覆屋の中に小祠があり,味耜高彦根命,祓戸神,三井神,弥都波能売神,少彦名命神,大己貴神が祀られている。

(大阪府大阪市天王寺区小橋町3-1)
2017.2.9


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