諸国神社めぐり

今宮神社(鹿沼市今宮町〈いまみやちょう〉)

鹿沼今宮神社社頭
今宮神社は,JR(日光線)鹿沼駅の西1キロメートル,鹿沼市役所に隣接して鎮座する。
日光二荒山神社の分社的性格を持ち「日光山鹿沼今宮権現」と称したという。
社伝によると延暦元年(782)の創立とされる古社である。
祭神は日光二荒山神社と同じく,大己貴命,田心姫命,味耜高彦根命の三柱である。現在は少彦名命も合祀されている。
初め,現在地の北東,御所の森(鹿沼市泉町)に鎮座したが,壬生綱房(みぶつなふさ)が御殿山(市役所裏の丘)に鹿沼城を築き,天文三年(1534)に当社を城の鎮守として現在地に遷して「今宮」と称した。
天正十八年(1590)の豊臣秀吉の小田原城征伐では,北条氏に味方して小田原城に籠城した壬生義雄が敗れ,壬生氏は滅亡。その後,当社は鹿沼宿の氏神となった。
明治維新後,今宮神社と称号が改められ,明治五年(1872)郷社に列せられ,昭和六年(1931)県社に昇格した。
鹿沼今宮神社唐門鹿沼今宮神社唐門細部
唐門(白木造四脚門)は江戸末期の嘉永二年(1849)に新築され,栃木県の指定文化財(昭和三十三年)である。

鹿沼今宮神社社殿
社殿は拝殿・幣殿・本殿が連続した構造である。慶長十三年(1608)に造営され,何度かの修復を経ている。
現在の本殿は,部材の墨書などにより,延宝九年(1681)の改築であることが確認されており,県の有形文化財に指定(平成四年)されている。
鹿沼今宮神社拝殿正面鹿沼今宮神社拝殿正面
拝殿は向拝付の入母屋造である。
鹿沼今宮神社本殿鹿沼今宮神社本殿彫刻
本殿は一間社流造で向拝付,銅葺である。
v鹿沼今宮神社本殿彫刻
本殿の側面の彫刻は保存状態が良い。

鹿沼今宮神社境内太久美神社鹿沼今宮神社境内石塔
本殿の裏に太久美神社といくつかの石祠。さらに金精神と思われる石塔などがある。

鹿沼今宮神社境内社
社殿の西に九社(香取社,鹿島大神,大山咋命社,産巣霊神,山神社,都風社,御霊社,一二三社,鶏社)が集められている。
東には水神社(水波能売神)と火産霊神社(火産霊神)の小祠が,本殿の横に八幡宮(誉田別神)と琴平神社(大物主神)の祠が並んでいる。

(栃木県鹿沼市今宮町1692)
2018.1.23


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