諸国神社めぐり

布多天神社(調布市調布ケ丘〈ちょうふがおか〉)

布多天神社鳥居
布多天神社は,京王線調布駅の北500メートルに鎮座する。
創建の時期は不明だが,「延喜式」の神名帳に載る古社(武蔵國多磨郡八座の一)である。社号の読みは文献によってさまざまで,「フタマ」「フタテ」「フダテ」などである。現在は「フダテンジンジャ」と呼ばれているようである。
主祭神は少彦名命であるが,祭神不詳とする古文献もある。
はじめ多摩川に近い場所(元天神あるいは古天神と称す)で祭られていたが,文明九年(1477)に洪水を避けて現在地に遷った。その際に菅原道真公(すなわち天神社)を配祀したという。
こうした経緯によれば「布多天神社」は元来「天神社」ではなく「布多天・神社」のはずである。しかし,道真公を祭ったことがきっかけとなったのか,拝殿の屋根などには梅紋があしらわれ,境内には菅公にちなむ臥牛の像もある。また参道に至る商店街は「天神通り商店街」と称し,今では完全に「天神様」(天満宮)として定着している。
布多天神社拝殿布多天神社本殿覆屋
覆屋で保護されている本殿は宝永三年(1706)の造営だという。

布多天神社参道布多天神社狛犬
参道途中の狛犬は寛政八年(1796)に奉納されたものである。
境内社として,金毘羅神社,大鳥神社,祓戸神社,御嶽神社,厳島神社,稲荷神社,疱瘡神社が祭られている。
→公式ページ:布多天神社(外部サイトに移動します)

(東京都調布市調布ケ丘1-8-1)
2007.4.8


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