諸国神社めぐり

石濱神社(荒川区南千住〈みなみせんじゅ〉)

荒川区南千住の石濱神社社頭
石濱神社(いしはまじんじゃ)は,南千住駅(JR常磐線,地下鉄日比谷線)の南東700メートル,隅田川の左岸に鎮座する。
聖武天皇の神亀元年(724)9月11日、勅願によって鎮座したと伝える古社である。
祭神は天照大御神と豊受大御神である。
奥州藤原氏との戦役から凱旋した源頼朝が文治五年(1189)に社殿を造営したとする伝承もある。
かつての社地は浅草の北端の橋場地区で,「橋場神明」「石濱神明」「朝日神明」などとも呼ばれた。
明治五年(1872)郷社となった。
昭和六十三年(1988),一帯の再開発事業にともなって現在地に遷座した。
荒川区南千住の石濱神社拝殿荒川区南千住の石濱神社本殿
拝殿の右に摂社末社をまとめた社殿がある。
江戸神社は,江戸太郎重長が天文年間(1532-1554)に勧請した牛頭天王社で,祭神は素戔雄尊である。
北野神社は,菅原道眞公を祭神とし,明和四年(1767)に道眞公の末裔の高辻大納言家長が勧請した。
妙義八幡神社は,日本武尊と誉田別命ほか二柱を祭神とする。由緒は不明である。大正九年(1920)に妙義神社と八幡神社を合祀した神社である。
真先稲荷神社(まさきいなりじんじゃ)は,石浜城城主の千葉之介守胤が天文年間(1532-1555)に社殿を造営した。豊受姫神を祀る。
同じ社殿に寿老神と宝得大黒天も祀られている。
また本殿の隣に麁香神社(あらかじんじゃ)の社殿がある。安永八年(1779)の創立で,手置帆負命と彦狭知命を祀る。

荒川区南千住の石濱神社境内社
境内の別の場所に招來稲荷神社(おいでいなりじんじゃ)がある(写真の左端)。
もとは真先稲荷神社の奥宮であったが,真先稲荷が徳川家の祈願所となり庶民の参詣が許されないため,招來稲荷に参詣したのが起源である。現在,境内にあった稲荷神社五社が合祀されている。

(東京都荒川区南千住3-28-58)
2013.2.27

石濱神社(公式サイト)


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