諸国神社めぐり

意富比神社(船橋市宮本〈みやもと〉)

意富比神社船橋大神宮社頭
船橋大神宮(ふなばしだいじんぐう)とも称される意富比神社(おおひじんじゃ)は,京成電鉄(本線)大神宮下駅の北東200メートルに鎮座する。
当社は『延喜式』(神名帳)所載の「意富比神社」(下総国葛飾郡)である。
古く『三代実録』(863)に「下総國意富比神」と神名が見える古社である。
「オホヒ」は「大日」で,太古よりこの地で信仰された太陽神に由来するとも考えられる。
平安末期,当社の北方の夏見(なつみ)一帯が伊勢神宮の管轄する御厨(みくりや)となった。それにともなってその地に伊勢の神宮(神明宮)が分祀されたと推測されるが,その後,御厨が衰退して神明宮は意富比神社に合祀され,本来の社号より「神明」「神宮」の呼称のほうが優位となり「意富比神社」の名が衰退したと思われる。十六世紀の資料には当社を「大神宮」「天照大神宮」「神明」と表記しているという。
意富比神社神門
拝殿の手前に神門がある。
意富比神社拝殿意富比神社本殿
社殿は戊辰戦争のおりに兵火にかかってを焼失したが,明治五年(1872)に県社に列せられ,同六年(1873)に本殿を再建した。
本殿は神明造である。

境内には多くの境内社がある。
意富比神社境内天之御柱宮
境内の東に天之御柱宮,豊受姫神社(外宮),八雲神社の三社が並んでいる。参道に近いのが天之御柱宮。由緒は不明。
意富比神社境内豊受姫神社意富比神社境内豊受姫神社
豊受姫神社の社殿は,伊勢の第六十二回式年遷宮(平成二十五年)後に譲り受けた内宮の由貴御倉を移築したもの。
意富比神社境内八雲神社
八雲神社は素盞嗚尊を祀ると思われるが,由緒は不明。
この他にも広い境内に多くの神々が祀られており,すべては挙げきれない。

意富比神社参道
この時期はイチョウの落ち葉が美しい。

(千葉県船橋市宮本5丁目2-1)
2015.11.27

意富比神社 船橋大神宮 公式サイト


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