諸国神社めぐり

穴澤天神社(稲城市矢野口〈やのくち〉)

穴澤天神社参道入口
穴澤天神社(あなざわてんじんしゃ)は,京王電鉄(相模原線)よみうりランド駅の東400メートルに鎮座する。
社地は,海抜約50メートルの高台になっており,北に三沢川の流れを見下ろす。
当社は,『延喜式』(神名帳)所載の「穴澤神社」(武蔵國多磨郡八座の一)に比定されている。
(国立市谷保の谷保天満宮を式内「穴澤神社」とする文献もある。)
社伝によると,孝安天皇(第六代天皇)四年の創立という古社である。
天正十八年(1590)社殿再建の記録があり,元禄七年(1694)に菅原道真公を合祀したという。
明治六年(1873)郷社に列せられた。大正七年(1918)に国安神社の大己貴命を合祀した。
少彦名命を主祭神とするが,元来の祭神は,この地の固有の神(穴澤天神)を祀っていた思われる。
穴澤天神社社殿前
急傾斜の石段を登ると平坦地となり,境内社や本社の社殿が見える。
穴澤天神社拝殿正面
拝殿は間口は小さいが屋根が立派である(昭和六十一年に修復された)。
穴澤天神社拝殿向拝部分穴澤天神社拝殿扁額

穴澤天神社境内の神明神社と山王神社穴澤天神社境内の稲荷神社
参道の途中に神明神社と山王神社が,本社の近くには稲荷社が,それぞれ祀られている。
穴澤天神社参道狛犬(吽形)穴澤天神社参道狛犬(阿形)
拝殿前の狛犬の台座には「天保十四年」(1843)の銘がある。

穴澤天神社末社の辨天社穴澤天神社末社の辨天社穴澤天神社末社の辨天社
麓に末社の辨天神社がある。背後に二つの洞窟があり,石祠などが置かれている。

(東京都稲城市矢野口)
2015.11.28


南関東神社めぐり