諸国神社めぐり

越中白山総社(富山市中野新町〈なかのしんまち〉)

富山市越中白山総社社頭
越中白山総社(えっちゅうはくさんそうしゃ)は,JR富山駅の南2.5キロメートルに鎮座する。
起源は不詳であるが,富山城下最古の神社とされる。祭神は菊理姫大神(白山比咩神)である。
南北朝期に越中守護となって布市の里(現在の富山市布市〈ぬのいち〉)に館をかまえた桃井直常(もものい ただつね)が白山権現(加賀の白山比咩神社の神)を信仰したのが当社の起源と伝える。
桃井一族が新川郡加積郷の松倉城(富山県魚津市鹿熊)に籠った時にもその信仰は続き,暦応四年(1341)に城主が椎名孫八(胤明)に代わってからも白山権現の信仰は続いたという。
元亀二年(1571),松倉城は上杉謙信の軍によって落城し,謙信は白山権現の神位を旧社地である布市村に還した。その後,中野村に社殿が造営された。
承応二年(1653)に前田利次の土地の寄進によって遷座したのが現在の社地である(旧社地「古宮」には現在も白山社が鎮座する)。以後,中野四ケ町の産土神として祀られ,歴代の富山藩主からも篤く崇敬された。
明治十四年(1881)に郷社に列せられた。
昭和二十年(1945)の戦火で社殿などを焼失したが,ほどなく再建され,昭和二十二年(1947)に現在の社号に定めた。
富山市越中白山総社社殿富山市越中白山総社拝殿内部
社殿は昭和二十年(1945)の戦火で焼失したが,ほどなく再建された。
富山市越中白山総社社殿富山市越中白山総社拝殿屋根

富山市越中白山総社狛犬(吽形)富山市越中白山総社狛犬(阿形)
拝殿前の狛犬。

(富山県富山市野新町2丁目)
2013.10.18


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