諸国神社めぐり

古峯信仰・古峯神社

古峯神社(古峰神社)は防火の神として信仰されている。
総本宮は,栃木県鹿沼市古峯ケ原(こぶがはら)に鎮座する古峯神社(ふるみねじんじゃ)である。(「こみねさん」「こぶがはらさま」などと呼ばれることもある。)
伝承によると,日本武尊(ヤマトタケル)の神徳を慕う藤原隼人なる人が京都から古峯ケ原に移って日本武尊の神霊を祀ったのが起源だという。
その後,勝道上人という僧侶がこの地で修行し,天応二年(782)に日光開山を果たした。これにより日光全山の僧は古峯ケ原に登って修行するようになった。以後,仏教と日本武尊への祭祀が習合して広い信仰を集めた。

民間では特に防火の神として信仰された。その起源は,日本武尊が相模で野火に囲まれた時,奇策を用いて火を鎮め,逆に敵を皆殺しにしたことによるのであろう。全国各地に古峯講中が組織されて篤い崇敬を集め,今でも全国から行者が集まるという。
講中の人によってそれぞれの郷里に「古峯神社」の社殿が建てられたり,既存の神社の境内を借りて石塔が設けられたりしている。

明治期の神仏分離政策によっていったん仏教色が排除されたが,近年は日光山興雲律院と共催で「巴祭」をおこなったりもしている。
→公式サイト:古峯ヶ原古峯神社(外部サイトに移動します)


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