諸国神社めぐり

祇園信仰

八坂神社西楼門

祇園信仰は,疫病を鎮める力を持つ神として牛頭天王(ごずてんのう)を祭る信仰である。
その発祥は,平安京で行なわれていた怨霊を鎮める祭祀の「御霊会(ごりょうえ)」にあると思われる。当時,各所でこの祭祀が行われており,それが現在の八坂神社(京都市東山区)に受け継がれている。
祭祀の対象である牛頭天王は,祇園精舎(釈迦が説法した場所)の守護神ともされる。この神が日本では疫病を防ぐ神として威力を発揮し,さらに素盞嗚尊(スサノオ)と同一神とされるようになった。素盞嗚尊の粗暴とも言える強さが疫病退散の威力を持つと考えられたのであろう。

八坂神社は,江戸時代までは祇園社,祇園感神院などと称されたが,明治期の神仏分離政策のもとで八坂神社と改称し,祭神も,牛頭天王を廃して素戔嗚尊に改められた。「八坂」は鎮座地の古い地名による。この八坂神社が,全国の八坂神社(弥栄神社,祇園社,天王社など)の総本社である。
八坂神社


諸国神社めぐり