新潟県神社探訪

河波良神社(新潟県上越市仲町〈なかまち〉)

河波良神社河波良神社社号標
河波良神社(かわらじんじゃ)は,高田駅(えちごトキめき鉄道)の南1キロメートルに東向きに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中頸城郡高田新須賀町鎮座 河波良神社」とある。
往古この一帯を菩提ケ原と称したころから鎮座し「原の稲荷」と称した。祭神は倉稲魂命で,合殿で天水分命,国水分命,大名持命,少彦名命を祀っている。
寛永年間(1624-43),隣接地で瓦の工房が設けられたが,そのさい当社を鎮火守護とし,社殿を改修した。よって「かはら神社」と呼ばれるようになった。しかし工房の廃止後は衰微した。
文化八年(1811),地域の水不足を解消するための用水を開鑿したが,工事にあたって当社に祈願した。竣工後,用水は「稲荷中江」と名付けられ社殿が再建された。当社はこれによってふたたび栄えることになった。
明治四年(1871),旧柏崎県の村社に列せられたが,制度改革によって後に社格を廃された。
今「稲荷中江鎮守河波良神社」と刻された社号標が建っている。
河波良神社社殿河波良神社扁額
河波良神社拝殿内部
拝殿正面の扁額には「瓦稲荷神社」とある。

同じ境内に秋葉神社産土社(雁田大明神)が鎮座する。

(新潟県上越市仲町2丁目9-17)
2004.8.6


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