新潟県神社探訪

十柱神社(弥彦神社の境内末社)

弥彦神社境内の十柱神社
十柱神社(とはしらじんじゃ)は,弥彦神社の隨神門の横に鎮座する末社である。摂社・末社が並ぶ区画のいちばん奥,八所神社の隣に鎮座する。
明治四十五年(1912)の大火までは現在の舞殿の近くにあった。火災を免れ,現在地に移された。
元禄七年(1694),長岡藩主・牧野忠辰によって創建された。社殿は入母屋造・妻入・茅葺である。
大己貴命を主祭神とし,不運な生涯を終えた長岡藩にゆかりの四霊(牧野主水秀成,牧野出羽守保成,神戸赤左衛門,宮内卿の娘)を合祀したため「五所宮」と称された。ただし現在の祭神は異なる(後述)。
弥彦神社境内の十柱神社向拝部分十柱神社細部
簡素な構造であるが,細部に桃山時代の様式を残す貴重なもので,昭和二十五年(1950)に国の重要文化財に指定された。
十柱神社社殿十柱神社社殿内部

明治三年(1870),大河津分水路の工事が始まり,安全を祈願して川のそばに弥彦大神と山川の神あわせて十柱を祀っていた。明治六年(1873)になって,諸神を弥彦神社に合祀することになった。
十柱のうち弥彦大神は本社に戻され,残る九柱を,この「五所宮」に祀ることになった。当時の神仏分離政策に従い,長岡藩にかかわる四柱の合祀は廃され,大己貴神だけが残された。
その結果,祭神は以下のようになり,社名も「十柱神社」に改められた。

(新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦・弥彦神社境内)
2004.11.8, 2009.1.10, 2010.1.10, 2012.2.13, 2013.2.17


弥彦村神社