
船山神社は弥彦神社の摂社である。角田山の南麓に南向きに鎮座する。鎮座地は,旧巻町の中心部から五ケ浜に抜ける古くからの街道で,本社とは6キロメートルほど離れている。
天忍人命(アメノオシヒト)を祭神とする。天忍人命は弥彦神社の第三世,すなわち天香山命の祭神・天香山命の御孫神である。命は,船をよくあやつり,漁業にも秀でて,漁民に慕われたとされる。




拝殿は古いが手入れが行き届いている。細部の繊細な装飾も保存状態はよい。


本殿の背後に透垣の囲いがある。中に祭られている石祠が天忍人命の神廟である。
なお,天香山命の嗣神のうち当社が祭る天忍人命以外の五神を祭る社殿は,すべて弥彦神社の境内社である。
思うに,太古から弥彦山・角田山一帯で祭られていた神々が,しだいに弥彦神社の天香山命の系譜に統合されていった経緯を示しているのであろう。
しかし,なんらかの事情で完全に弥彦神社に吸収されなかった神があり,この船山神社のように遠隔地(本来の鎮座地か?)に祭られている神もあれば,本殿は弥彦神社の境内に建てられたものの神廟が離れている樋曽の今宮のような事例があるのであろう。
(新潟県新潟市西蒲区福井)
2005.5.15, 2009.6.14