青海神社(あおみじんじゃ)は,JR(信越線)加茂駅の東500メートルに鎮座する。社域は「加茂山公園」として整備された丘陵である。
当社は,「延喜式」所載の「青海神社二座」とされる古社である。
「神社明細帳」(明治十六年)に「南蒲原郡加茂町字賀茂山 縣 郷 社 青海神社」とある。
祭神は,椎根津彦命と大国魂命で,合殿に賀茂別雷命(かもわけいかずち),多多須玉依媛命(ただすたまよりひめ),賀茂建角身命(かもたけつぬみ)を祭る。
青海神社の創立年月は不明であるが,当社が提供する年表は,神亀三年(726)の創建としている。
延暦十三年(794)には京都の賀茂別雷神社(上賀茂神社)と賀茂御祖神社(下鴨神社)の神領となり,両社の分霊を勧請した。
それ以来「加茂大明神」と呼ばれ,今,拝殿の額にもそのように書かれている。
明治五年(1872),県社に列せられた。
重厚な拝殿は明治十年(1877)に再建されたものである。
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拝殿の裏の少し離れた場所に本殿が建っている。
かつては三社それぞれ別の場所に本殿があったが,明治六年(1873)に三社合殿とした。
境内社が多くあり,水の神である貴船神社・厳島社・広瀬社のほか,稲荷神社,山神社,伊勢両宮,諏訪神社などが祭られている。
なお,新潟市長嶺町の蒲原神社も「式内青海神社」を称している。
当社の神輿が定期的に新潟市の蒲原神社に神幸したという伝承が蒲原神社にあり,「延喜式」の「青海神社二座」とは両社を一括したものであるとする。
(新潟県加茂市加茂)
2005.6.12,2005.6.19, 2010.6.12
→青海神社(公式サイト)