新潟県神社探訪

二王子神社(新発田市田貝〈たがい〉)

二王子神社の鳥居
二王子神社(にのうじじんじゃ)は,JR新発田駅の南東12キロメートル,二王子岳(標高1,420m)の西麓に鎮座する。
二王子岳は古くから修験道の霊山として栄え,当社もかつては「二王子権現」と称した。それ以前の祭神については,大黒神,不動明王,毘沙門天,虚空蔵菩薩とする説(越後野誌)や,熊野権現,不動明王,蔵王権現,大黒天とする説(『式内社調査報告』に引く『田貝村誌』)があり,判然としない。また本地仏を祭った一王子,二王子,三王子の場所についても定かでない。
「神社明細帳」(明治十六年)に「北蒲原郡田貝村二王子山ノ内字ナビキ 二王子神社」とある。
文武天皇の時,役小角が当地に至り,毘沙門天,大黒天,不動明王,金剛波羅蜜の四仏を安置し,弟子に奉祭させた。
明治二年には仏像を廃し,権現号を改めて「大山祇神社」とした。
当社を『延喜式』神名帳の「美久理神社」(沼垂郡五座の一)とするのは,社掌の内務省神社局への報告(明治七年)が最初のようであるが,それには社号を「大山祇神社」としている。
当社が式内・美久理神社であるかどうかは別にしても,古くから篤く崇敬された名社であることは間違いない。
「明細帳」が記す祭神は,大己貴命,豊受姫命,熊野加布呂岐命,一言主命である。ただし明治七年の報告書には「一言主命」がなく「大山積神」がある。

二王子神社参道二王子神社の登龍杉
参道途中に「登龍杉」と称する巨樹がある。
二王子神社随神門?二王子神社参道上部
随神門あるいは唐門の跡か?
苔むした石段を登り詰めると開けた平坦な広場になり,大きな社殿が建つ。→二王子神社境内

(新潟県新発田市田貝2010)
2005.7.9


旧新発田市(川東,米倉,赤谷)神社