新潟県神社探訪

羽黒神社(佐渡市羽吉〈はよし〉)

佐渡羽吉の羽黒神社羽黒神社神橋
羽黒神社は,両津港の北西4キロメートル,羽吉の外羽黒(そとはぐろ)に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「佐渡國加茂郡羽吉村字外羽黒 郷社 羽黒神社」とある。
神護景雲四年(=宝亀元年,770)に出羽の羽黒社から倉稲魂尊を勧請して五月雨山(羽黒山)に祀ったのを発祥とし,御輿ヶ平に移り,天正年間(1573-92)に現在地に移ったという。
『平成佐渡神社誌』が,保延元年(1135)に現在地に遷ったとするのは,御輿ヶ平遷座の年であろうか?
「神社明細帳」が記す祭神は倉稲魂命であるが,『佐渡神社誌』『平成佐渡神社誌』は大日孁尊,月読尊も祭神とする。
加茂歌代から鷲崎に至る二十ヶ村の産土神として崇敬された。
明治六年(1873),郷社に列せられた。
毎年六月におこなわれる流鏑馬の神事は,県の無形民俗文化財に指定(昭和40年)されている。
「心経門」とも呼ばれる一の鳥居から伸びる参道は,仁王門(二の鳥居)をくぐると下りとなり川を渡る。
朱塗りの神橋は昭和四十二年に流出して再建されたものだが,八個の擬宝珠のうち六個は古い橋の物を用いており,文化十四年(1817)と弘化三年(1846)の寄進である。

羽黒神社拝殿正面羽黒神社本殿
社殿は大正七年(1918)の大火で焼失し,同九年に再建されたものである。

羽黒神社狛犬
狛犬は嘉永元年(1848),灯籠は寛政八年(1796)の建造である。

(新潟県佐渡市羽吉324)
2006.3.10


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