
熱串彦(あつくしひこ)神社は,両津港の南西2キロメートルの水田地帯に鎮座する。『延喜式』神名帳の「阿都久志比古神社」(賀茂郡二座の一)に比定されている。
祭神は,阿田都久志尼命(アタツクシネ)で,大彦命と金山彦命を合祀している。
阿田都久志尼命は,天日方奇日方命(アメノヒカタクシヒカタ),櫛御方命(クシヒカタ)ともいい,事代主神(コトシロヌシ)の御子神であり,賀茂氏の遠祖とされる。
(祭神を阿田都久志尼命とするのは誤りで,阿都久志比古命〈アツクシヒコ〉とすべきだという説もある。)
当社は,はじめ長江山の中腹に鎮座したが,承久年間(1219-21)に焼失し現在地に再建したという。明治五年(1672)に金北山神社を合祀した。
さらに当社は社号を「水尾明神」とし,往古は河崎の地にあったとする資料もある。現に河崎に水尾神社という古社があるが,詳細は不明。


向拝の無い拝殿は,佐渡で時おり見かける形式である。

本殿は屋根だけが見える。

境内には能舞台が建っている。明治以前の建築と伝える。
(新潟県佐渡市長江)
2006.3.10