新潟県神社探訪

升箕社(三条市下大浦〈しもおおうら〉)

三条市下大浦の升箕社参道
升箕社(ますみしゃ)は,旧下田村(しただむら)の下大浦地区に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十七年)に「南蒲原郡下大浦村字山ノ本 升箕社」とある。
祭神は天照皇大神で,天和三年(1683)の勧請と伝える。
当時,全国的な天候不順で飢饉が発生したため,伊勢神宮の神輿が全国を巡行したが,当地に至って神輿が進まなくなり,神輿を庄屋の屋敷に招き入れたという。ついで神霊を村内の二荒社に安置し,翌年(貞享元年,1684)現在地に社殿を造営して祭ったのが当社の起源である。(創建時の社殿が古宮として保存されている。)
明治四十年(1907),字下屋の神明社(天照皇大神)を合併した。
天照大神(二柱)を祭神とするが「神明社」を称さず,農具の「升」と「箕」を社号としている。
升箕社拝殿升箕社拝殿彫刻
拝殿は棟札によって寛延三年(1750)の建築,安政二年(1855)の修築であることが確認されている。天井には狩野貴信(かのうたかのぶ)による「飛龍」の天井絵(安政二年)があるという。

升箕社本殿覆屋升箕社本殿
現在の本殿は比較的新しいものだが,創建時(天和年間)の貴重な遺構が拝殿の横に保存されている。→升箕社古宮

(新潟県三条市下大浦)
2006.5.20


三条市(旧 下田村西部)神社探訪