新潟県神社探訪

秋葉神社(長岡市谷内〈やち〉)

長岡市谷内の秋葉神社
秋葉神社は,秋葉三尺坊(さんしゃくぼう)大権現とも呼ばれ,旧栃尾市に鎮座する。奥の院は石川雲蝶の作品として名高い。
社地は刈谷田川と西谷川に挟まれた高台で,常安寺(曹洞宗)の管轄である。
常安寺の守護神(防火の神)として上杉謙信が楡原(岩野)の蔵王堂から勧請して建てたのが起源とされるが,異聞も多い(注)
秋葉神社拝殿秋葉神社
秋葉神社拝殿内部
拝殿の後方に石川雲蝶と小林源太郎による彫刻が施された奥の院が建っている。
秋葉三尺坊奥の院

(注)[秋葉山・秋葉神社]
全国の秋葉神社の総本宮は,静岡県浜松市の秋葉山本宮秋葉神社である。現在は火之迦具土大神(ヒノカグツチノオオカミ)を祭神とするが,明治以前は三尺坊大権現を祭っていた。
三尺坊は,信濃の生まれの修験で,栃尾の岩野(現在の長岡市栃尾岩野外新田)の蔵王堂で修行し,飛行自在の神通力を得,延暦二年(783)に栃尾の秋葉山に秋葉権現を造営したという。(三尺坊を鎌倉期の僧とする説もある。)
(三尺坊修行の地である岩野の蔵王堂は,後に寺泊の矢田(現在の長岡市寺泊矢田)に遷り,さらに長岡の蔵王に遷ったとされる。今,長岡市西蔵王に鎮座する金峯神社がこれである。)
栃尾の秋葉権現は大きな勢力を持ったらしく,寛保三年(1743)には静岡の秋葉山と本末を争い,寺社奉行の裁定を仰いだという。

(新潟県長岡市谷内二丁目)
2006.6.10


旧 栃尾市北部(上北谷,上塩谷,下塩谷,栃尾町)神社