菅原神社(天満宮)は,旧栃尾市の上来伝地区に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「古志郡来伝村字山中 無格社 菅原神社」とある。
旧来伝村のうち,上来伝の産土神であるが,創立年月は不明。祭神は菅原道真朝臣である。
この地区の伝承では,村開拓の初日に落雷があり,それを吉祥として村名を「雷田」(あるいは「雷出」とも)としたいう。(なお,地元では来伝を「らいで」あるいは訛って「だいれ」と発音するらしい。当社境内の由緒には「来伝天神・らいで てんじん」と書かれている。)
古志郡に菅原道真を祭る天満宮(天神社)は少なく,当社は広範な崇敬を集めている。
明治三十七年(1904),字西郡の大山祇神社(大山祇命)を合併した。
社殿は大正四年(1915)に焼失し,翌年再建された。
拝殿の額には「天満宮」とある。
サッシで保護される前の社殿(2006年)
社殿の左にいくつかの石祠と薬師堂がある。
拝殿前の狛犬は昭和十八年(1943)の奉納である。
菅原道真公の像の前には,たくさんの「合格石」(「ご」を書く石)が奉納されている。
十一月下旬におこなわれる合格祈願祭には,合格石をもらうために県外からも受験生を中心に参拝者が集まる。
平成初年に始まった村おこしの行事である。
神社への道は「合格街道」と名付けられている。
1.5キロメートルほど下った下来伝地区には,「越後の奇祭・ほだれ祭」で知られるほだれ大神が鎮座する。
(新潟県長岡市来伝2699番地)
2006.6.10, 2017.5.3, 2020.5.30
参考:天満宮・天神とは?