新潟県神社探訪

菅原神社(阿賀野市安野町〈あんのちょう〉)

水原安野町の菅原神社
菅原神社は,JR水原駅(羽越本線)の北東600メートルに鎮座する。祭神は菅原道真朝臣で,承応二年(1653)の創立と伝える。
旧下条村の産土神である。
下条村には下条釆女正(関東管領・越後守護であった山内上杉氏の代官)の居宅があり,後陽成天皇宸筆とされる「南無天満大自在天神」の神号幅を蔵していた。下条氏が米沢に転居するさい,神号幅を無為信寺に寄託した。
その後,山口地区が分郷して山口村となったさいに下条村は鎮守を失うこととなった。そのため村民が無為信寺から神号幅を譲り受け,下条氏の居宅に祀られていた天満宮を現在地に遷して祀ることにした。これが当社の起源である。
「天満宮」と称したが,明治四年(1871)に現社号に改めた。

水原安野町の菅原神社拝殿菅原神社本殿
拝殿はかなり大きい。安政二年(1859)に焼失し,明治二年(1869)に再建した。
拝殿の背後に建つ本殿はかなり手の込んだもので,特に銅葺きの屋根が大きく豪華である。明治三十七年(1904)に再築したという。
水原安野町の菅原神社境内社
境内はかなり広いが,樹木が少なく,殺風景な印象である。
境内には本社のほか二つの神社が建っている。
「神社明細帳」(明治十六年)には境内社を三社記録する。すなわち琴平社(文政六年創立,祭神は大物主命),稲荷神社(元禄十四年創立,祭神は宇賀魂命),神明宮(創立年月不詳,祭神は天照皇大神)である。

(新潟県阿賀野市安野町)
2007.2.11

参考:天満宮・天神とは?


旧水原町神社