新潟県神社探訪

小比叡神社(佐渡市小比叡〈こびえ〉)

小比叡神社社頭
小比叡神社(こひえいじんじゃ,こびえいじんじゃ)は,旧小木町小比叡の蓮華峰寺(れんげぶじ)の境内に鎮座する。もとは蓮華峰寺の鎮守であった。
「神社明細帳」に「佐渡國羽茂郡小比叡村字瀧ノ上 村社 小比叡神社」とある。
創立年月は不詳だが,蓮華峰寺の創立と同じ大同年間(806-809)と伝える。
もと山王権現と称したが,明治期の神仏分離政策によって小比叡神社と改称した。旧小比叡村の産土神である。
大己貴命を祭神とし,合殿に白山毘咩命を祭る。
康永四年(1345)に北野天満宮から分霊したことが神鏡の書付から知られ,拝殿に掛かる額にも「天満大神宮」が見えるが,「明細帳」が記す祭神に菅原道眞公は漏れている。
明治七年(1874),村社に列せられた。

小比叡神社社殿正面
石の鳥居は佐渡の初代奉行・大久保長安が奉納したもので,「慶長十三年」(1608)の銘を持つ。
小比叡神社拝殿小比叡神社拝殿額
茅葺きの拝殿は17世紀の建築と推定され,新潟県の有形文化財に指定されている。
額には「白山権現・山王大権現・天満大神宮」と書かれている。
拝殿の背後に覆屋で保護された本殿がある。
小比叡神社本殿
小比叡神社本殿(屋根)小比叡神社本殿(向拝)
寛永十七年(1640)に造営された本殿(三間社流造,柿葺き)は室町時代の様式を伝えるとされ,拝殿前の石鳥居とともに国の重要文化財に指定(昭和五十二年)された。

(新潟県佐渡市小比叡1085)
2007.3.11, 2017.3.15

参考:山王信仰とは?


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