新潟県神社探訪

出羽神社(村上市荒島〈あらしま〉)

村上市荒島の出羽神社全景
出羽神社は,JR坂町駅の南東2.5キロメートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「岩船郡荒嶋村字南山ノ下 村社・出羽神社」とある。
大同元年(806)の創立で,荒島と春木山村の産土神である。初め「荒川神社」と称し,「延喜式」所載の「荒川神社」とも伝える。
大永年間(1521-1528),羽黒社と改称し,さらに現社号に改めた。
字宮山に鎮座したが,慶長三年(1598)に現在地に遷座した。
明治五年(1872),村社に列せられた。 祭神は倉稲魂命,月読尊,那都美姫命である。
明治三十九年(1906)一月六日に,村内の菅原神社(長和三年〈1014〉創立で,祭神は菅原道真朝臣)と稲荷社(大永年間〈1521-1528〉創立で,祭神は倉稲魂命)を合併した。
「明細帳」は境内社の神明宮(大同二年創立で,祭神は天照皇大御神)を記録している。
村上市荒島の出羽神社社殿村上市荒島の出羽神社本殿
社殿は瓦葺きのどっしりした姿である。

荒島の出羽神社境内社
境内に一社が建っている。神明宮であろうか。

荒島の出羽神社からの眺望

「明細帳」によると,出羽神社はもとは「荒川神社」と称し,大永年間(1521-27)に羽黒社に改めたという。
すなわち『延喜式』所載の荒川神社であることを主張するのであるが,小池内広はこれを荒島の地名に附会した妄説として否定している(『越後式内神社考』)。
式内社として有力視されている神社が,荒川を挟んだ対岸に鎮座する(→村上市小岩内の荒川神社)。

(新潟県村上市荒島1105)
2007.8.26


旧荒川町神社