稲荷神社は,JR(羽越本線)鼠ケ関駅の南500メートル,伊呉野地区に鎮座する。
おそらく新潟県最北端の神社である。
中浜の吉野神社を分霊したもので,当初は佐藤長右衛門家の氏神であったものを地域の鎮守としたものという。吉野神社は稲荷社ではないにもかかわらず当社が「稲荷」を称する由緒は不明。
初め,立岩の上に祠を建てて祭っていたが,鉄道工事のさい現在地に遷した(大正の末)という。
住宅地の間の路地のような狭い場所に社殿が建っている。
社殿には昭和六十一年(1986)に社殿を新築したさいの額が掛かっている。
この地区は新潟県の最北端で,山形県鶴岡市と接するが,県境は川や山ではない。住宅地の中を県境が通っており珍しい。
(新潟県村上市伊呉野)
2007.9.8