新潟県神社探訪

八幡宮(南魚沼市八幡〈やわた〉)

六日町の八幡宮鳥居
八幡宮は,JR(上越本線)六日町駅の北東500メートル,旧南魚沼郡六日町の八幡地区に鎮座する。
「神社明細帳」に「南魚沼郡八幡村字日越 村社・八幡宮」とある。
第十代崇神天皇の御代の創立と伝える古社で,旧八幡村の産土神である。
初め鳥坂山(坂戸山か)の山頂に鎮座したが,天平六年(734)に坂本の地に遷座したという。
村松藩の祖堀直寄(ほりなおより,1577-1639)が坂戸城主であったため,明治初年に至るまで村松藩の崇敬が篤かった。
祭神は大国主命と猿田毘古命で,配祀として多紀理毘賣命,狭依毘賣命,多紀津毘賣命,足仲彦尊,氣長足毘賣尊,譽田和氣尊である。
明治五年(1872),柏崎県下で村社に列せられ,翌年,郷社に昇格した。同年「柏崎県」が配され,新潟県下で「村社」と定められた。
このほか,境内に大宮廼賣神社,直日神社,素盞嗚神社,稲荷神社,諏訪神社が鎮座したが,明治十年(1877),本社に合併された。
明治十一年(1878)に社殿を改築したが,同四十一年の六日町大火により焼失した。
『越後野志』などは当社を『延喜式』所載の「坂本神社」に比定している。
六日町八幡宮社殿六日町八幡宮拝殿屋根部分
拝殿前の狛犬は平成十九年(2007)八月に作られた新しいもの。

八幡宮拝殿扁額八幡宮拝殿内部

六日町八幡宮境内石祠
境内に古い石祠が並んでいる。
「明細帳」は「境内社」として六社(石祠)を記録しているが,これに当たるものか。
疫神斉神社(八街毘古神,八街毘賣神,岐戸神),稲荷神社(宇迦御魂命),八坂神社(素盞嗚尊),淡島神社(少名毘古那命),水神社(水速廼女命,天平年間創立と伝える),天満宮(菅原道真朝臣,延喜八年創立と伝える)である。
八幡宮境内の保存樹
杉の古樹があり,14本が旧六日町の保存樹に指定されている(指定番号第13号,昭和51年)。

坂戸山の方向を眺める
創祀の地と考えられる坂戸山方向の眺望。戦国期には山城が築かれていた。現在は,上杉景勝と直江兼続ゆかりの坂戸城跡として訪問者が多い。
現在,山頂には富士権現社が鎮座する。

(新潟県南魚沼市八幡)
2007.9.9


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