新潟県神社探訪

物部神社(柏崎市西山町二田〈にしやまちょうふただ〉)

柏崎市西山町二田の物部神社鳥居
物部神社は,JR越後線・礼拝(らいはい)駅の南東1.2キロメートル,旧西山町の二田地区に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「刈羽郡二田村字入ノ澤 村社 物部神社」とある。
朱塗りの鳥居は,礎石からずれて建っている。新潟県中越沖地震(2007年7月16日)の後遺症である。
当社は「延喜式」所載の「物部神社」(三嶋郡六座の一)に比定される古社である。
二田天物部命(ふただあめのもののべのみこと)を祭神とする。
社伝によると,二田天物部命が,天香山命(弥彦神社祭神)とともに出雲崎の尼瀬から上陸し,多岐佐加の二田という場所に留まり,その地に薨じ,二田土生田山に葬られたという。
その後,崇神天皇の時,二田天物部命の十二世の孫にあたる物部稚櫻命が信託によって御社を船岡山に遷した。
さらに推古天皇の時に亀岡山中腹に,ついで神亀年間(724-729)に土生田岡に,さらに弘仁八年(817)に亀岡山の山頂に遷され,天仁元年(1108)に現在地に遷座したという。
室町,戦国期には越後各地の領主から崇敬され,徳川期には当地が天領となった関係で将軍家とのつながりも続いた。
明治四年(1871)に村社に列せられ,四十年(1907),若宮神社(物部稚櫻命)と諏訪神社(健御名方命)を合併した。
大正十二年(1923)には県社に列せられた。

西山町二田の物部神社拝殿
拝殿は奥の深い妻入様式である。
二田物部神社拝殿向拝柱彫刻二田物部神社拝殿向拝彫刻
拝殿向拝の細部。
二田物部神社本殿
拝殿は江戸期,本殿(三間社流造,桟瓦葺)は十五世紀後期(室町期)の作とされる。

二田物部神社狛犬(吽形)二田物部神社狛犬(阿形)

(新潟県柏崎市西山町二田)
2007.10.13


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