にいがた百景

「砂山」の碑(新潟市中央区西船見町〈にしふなみちょう〉)

砂山の碑砂山の碑(拡大)
「砂山」の碑は,護国神社の裏手,坂口安吾碑の少し西にある。
よく知られた「海は荒海 向こうは佐渡よ」で始まる北原白秋の詩が,全文平仮名で刻されている。
白秋(1885-1942)は,大正十一年(1922)六月十二日に新潟市を訪れた。小学生による「白秋童謡音楽会」に招かれたのである。会は師範学校の講堂(現在の新潟大学医学部保健学科校舎付近)でおこなわれた。
音楽会が終わったその日の夕刻,白秋は寄居浜まで足を伸ばした。九州生まれの白秋は北国の海の風景に強い感銘を受けたという。(夏の日本海は,波も穏やかでもっとも美しい季節なのだが,白秋が訪れたたこの日は灰色の雲が低く垂れていた。とっぷりと日が暮れた砂浜で子供が焚き火をする光景は,それは淋しいものだったという。)
その時の印象にもとづいて作られたのが,今も歌い継がれている「砂山」の詩である。
中山晋平と山田耕筰が曲をつけている。
砂山の碑の付近
周辺の散策路は常に静寂が支配する。

(新潟県新潟市中央区西船見町,JR新潟駅から徒歩40分)
2007.11.10


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