新潟県神社探訪

度津神社(佐渡市羽茂飯岡〈はもちいいおか〉)

羽茂飯岡の度津神社参道正面
度津神社(わたつじんじゃ)は,旧羽茂町の飯岡地区に鎮座する。
当社は『延喜式』(神名帳)に載る古社で,佐渡国九座の筆頭に置かれることから「佐渡一ノ宮」として崇敬を集めた。現在,主祭神は五十猛命(イタケル,イソタケル(注))とされているが異説も多い。また大屋津姫命と抓津姫命(ツマツヒメ)を配祀している。
(注)五十猛命は素盞嗚尊の子である。『日本書紀』第七段(八岐大蛇を退治する段)に附属する第四の一書に登場する(『古事記』にその名は見えない)。
悪行によって高天原を追放された父とともに朝鮮に渡ったが,そのさい樹木の種子をおおく持っていた。五十猛は朝鮮の土地を嫌い,日本に戻って植林事業につとめた。そのため日本は今に至るまで森林に恵まれ,いっぽう朝鮮半島は植生が貧弱なのである。

当社は,はじめ別の場所に鎮座したが,文明二年(1470)に羽茂川の洪水で社地を失い,しばらく八幡宮(祭神は誉田別尊)に合祀された。後に現在地に遷座したが,八幡宮を相殿に祭り「一ノ宮八幡宮」と呼ばれた。
明治四年(1871),度津神社が国幣小社の格を得たが,そのさい八幡宮は分祀されて境内社となった。
度津神社二の鳥居度津神社神門
「一宮」の額束の掛かった二の鳥居をくぐると,神門が見えて来る。

度津神社拝殿内部度津神社拝殿
拝殿は台湾産の檜を使って昭和十二年(1937)に建てられたもの。
度津神社本殿
本殿は宝永六年(1709)に造営された。

度津神社境内の八幡宮
本社の横に八幡宮の社殿が建つ。
主祭神の誉田別尊に,妹背山大神宮(豊受大神),稲荷大神(宇迦之御魂命),熊野大神(家都御子神,熊野夫須美神,御子速玉神)を合祀している。

(新潟県佐渡市羽茂飯岡)
2008.3.2


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