熱田神社は,加茂湖の西,佐渡空港の近くに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「加茂郡秋津村字新田 村社・熱田神社」とある。
創立の年代は不明だが,天正十六年の寺社帳にすでに「年暦不詳」して記載されているという。
旧釜屋村の坊ノ前と呼ばれる場所があり,そこが旧社地だと伝えられている。
祭神は日本武尊で,合殿で倉稲魂命と菅原道真朝臣を祭る。疫病流行の際に神徳顕著であったと伝える。
本殿はかなり大きいのではないかと思うが,覆屋によってまったく見えない。
屋根に輪宝のような紋が見える。
文久二年(1862)奉納の佐渡様式(ただしやや肥満型)の狛犬。
600メートルほど北の長江地区には式内社に比定される熱串彦神社がある。
かつて佐渡では「田遊び」という神事が各所でおこわれていたが,今は多くが廃絶している。この熱田神社でも昭和三十年頃までは存続していたといい,当社の神職であった家には,それについて記した「御宮社役暦代記帳」という文書が残っているという(『佐渡・越後文化交流史研究』第9号)。
(新潟県佐渡市秋津1135)
2009.3.14