
左武徒大明神は,外海府海岸の寒戸崎(さぶとざき)に鎮座する。大杉神社ともいう。
この神社の由来にはムジナにまつわる伝承がある。
昔,このあたりは入り江で,能登と往来する船が出入りしていた。この付近に一匹のメスのムジナが住んでおり,ムジナは「お杉」という名の娘に化けていつも村の男を誘っていた。
ある時,お杉はムジナの掟を破って,よそ者である能登の船頭と船の中で寝た。はたしてその夜,裏山が大崩落して入り江を埋め尽くし,お杉も船頭も生き埋めになって死んだ。
村人はあわれみ,船が埋もれた場所に祠を造り,杉を植えて弔った。初めは「お杉神社」と呼ばれていたが,祠のかたわらの大きな穴からいつも冷たい風が吹き出しているのでいつしか「寒戸神社」と呼ばれるようになった。


蛇がのたうち回っているような姿の杉の巨木が参道をさえぎっている。

境内に冷たい風の吹き出す大穴がある。この奥に今もムジナがいるのか?
(新潟県佐渡市関)
2009.3.15