石瀬神社は,旧西蒲原郡岩室村の石瀬から石瀬峠に向かう山道の途中に鎮座する。
集落から社地は,かなり離れている。
現在の社地にはもともと石瀬の産土神である諏訪神社が鎮座した。祭神は健御名方命である。
起源は背後の多宝山を信仰する祭祀場であったのかも知れないが,由緒は不明である。
明治四十年(1907)に字城平の神明社(天照大神,豊受大神)と字下町の稲荷神社(倉稲魂命)と字新田町の稲荷社(倉稲魂命)を合併し,翌年現社号に改めた。
鳥居(昭和五十二年)をくぐって進むと小川を渡る。参道が少し右に折れ,その先に社殿が見えて来る。
杉に囲まれた広い境内に社殿が控えめに建っている。
流れ造りの本殿は覆屋の中に保存されているためか,傷みも少なく,各所に施された装飾も美しい。
社殿を守る出雲型の狛犬は明治三十六年(1903)の奉納である。
(新潟県新潟市西蒲区石瀬)
2009.3.20