新潟市神社探訪

神明社(新潟市西区赤塚〈あかつか〉)

赤塚神明社遠景
神明社は,赤塚の御手洗潟(みたらせがた)の北に広がる砂丘に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「西蒲原郡赤塚村字下荒所 無格社・神明社」とある。
祭神は天照皇大神で,『延喜式』の「船江神社」に比定される古社である。(新潟市古町通一番町の神明宮(船江大神宮)も「式内・船江神社」を称している。)
伝承によると,かつてこの一帯は入り江で,船着き場であったが,寛治年間(11世紀末)の地震と津波で地形が変化し,村は現在の赤塚中心部に移転し,伊弉那岐社を創立して産土神としたという。
当社の南にある佐潟(さかた)や御手洗潟は,かつての海浜地形の名残である。
現在,神社の周囲には人家がまったくない。当社の御神体も祭日以外は赤塚神社に置かれているという。
(以上のことから,もとこの地にあった船江神社が地震後に場所を移して再建したのが現在の赤塚神社で,その後ふたたびこの地に船江神社を復興したとも考えられる。)
赤塚神明社参道赤塚神明社遠景
平成二十五年に新調された朱の鳥居をくぐると小さな藪山となり,にわかに神さびたおもむきとなる。
傾いた石灯籠や,このあたりではあまり目にしない巨木が往時を偲ばせ,「式内社」の風格を感じさせる。
社殿まで苔むした石段が続く。
雪に覆われた赤塚神明社の社殿赤塚神明社社殿内部
急傾斜の石段を上り詰めると,突然視界が開け,コンクリート製の社殿があらわれる。

赤塚神明社狛犬赤塚神明社狛犬
社殿前の狛犬は小ぶりであるが上品なもので,明治十六年の銘がある。

赤塚神明社遠景(雪景色)
鳥居新調前の社地遠景。

(新潟市西区赤塚7034番地)
2003.4.7, 2007.1.28, 2008.3.20, 2012.2.13, 2014.1.26, 2017.4.28

参考:神明宮とは?


新潟市西区(赤塚地区)神社