新潟市神社探訪

湊稲荷神社(新潟市中央区稲荷町〈いなりまち〉)

桜が満開の湊稲荷神社
湊稲荷神社は,信濃川に架かる柳都大橋の下流,新潟市歴史博物館の近くに鎮座する。
「神社明細帳」に「越後国新潟区稲荷町字下島 無格社 湊稲荷神社」とある。
創立年月は不明だが,当社の解説によると,享保元年(1716)に米沢から勧請したという。
大正七年(1918)に村社に列せられた。
「明細帳」が記す祭神は,倉稲魂命 又 保食命,大名持命,太田命,大宮姫命である。
湊稲荷神社拝殿湊稲荷神社拝殿屋根
湊稲荷神社拝殿内部湊稲荷神社本殿部分
拝殿は漆喰(?)の白壁だが,本殿の部分は朱に塗られている。
湊稲荷神社境内の天鈿女命神社
境内に天鈿女命神社の小祠がある。天鈿女命と猿田彦命を相殿で祀っているというが,由緒は不明。

回る狛犬(阿)回る狛犬
当社は「回転する狛犬」で知られている。その昔の話である...
新潟に入港した船乗りは,横七番町(よこしちばんちょう)の遊廓で過ごし,遊女に港まで送られて船に戻った。
商売熱心な遊女たちは,港からの帰途ここに立ち寄り,西風が吹いて出港が延びるようにと狛犬を西に向けて祈ったという。当社は,花街と港のちょうど中間にある。
「道楽稲荷」とも呼ばれたらしく,「下の新地の道楽稲荷 おれも二三度だまされた」という俗謡がある。
今でも,高麗犬を回しながらさまざまな願掛けをする人が絶えない。
ことに近年は回転軸の摩滅が激しく,半年ごとに修理をおこなっているという。
現在の狛犬は平成七年(1995)に新調されたものである。
湊稲荷神社狛犬学校に連絡します
先代の嘉永七年(1854)銘の狛犬は,拝殿前でおみくじの箱を見張っている。
初代の狛犬は,その昔,神社前の堀に落とされて引き上げることができず,後に堀が埋められて道路となったため,今も地中にあるという。

湊稲荷神社神楽湊稲荷神社神楽
夏祭りの様子。

境内に,かつての新潟証券取引所から遷された豊光稲荷大神が祭られている。
なお,信濃川を挟んだちょうど対岸(沼垂西)にも同名の湊稲荷神社が鎮座する。

(参考)附近の雅名:入船町,赤坂町,早川町,田町,西湊町通,魁町

(新潟市中央区稲荷町3482,JR新潟駅から徒歩35分)
2003.9.23, 2005.5.29, 2006.11.4, 2007.7.8, 2014.4.12, 2014.7.9, 2018.4.1


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