春日神社(大分市勢家町〈せいけまち〉)

春日神社社殿
大分市の春日神社は,貞観二年(860)豊後国司藤原世数が奈良春日大社より勧請したとも,天平年間(729-749)石川年足が大和三笠山より勧請したともいう。建久7年,大友能直が豊後に封じられてから,府内の総廟として22代にわたって崇敬された。
祭神は武甕槌命,経津主命,天児屋根命,姫大神。
天正十二年(1584)に島津軍により,また昭和二十年(1945)にはアメリカ空軍により,つごう二度の大火災を被った。その後,社殿が再建され,1967年10月18日遷座祭をおこなった。
春日神社本殿春日神社狛犬
かつては動物園を設け,鹿が飼われていたらしい。
(なお,大分人は一般に「神社」を「ジンシャ−jinsha」と発音する。)

周囲のかつての風情は『大分市史』(1915年,大分市役所)の以下の記述で推測できよう。

古木鬱蒼として境内を蔽ひ幽邃にして頗る風致あり。一歩を海浜に徒せば(「徙せば」の誤植?),一碧萬頃,眼界豁然として千里目を窮め漁舟白帆,煙霞杳靄の間に出没するあり。

目の前には松林ごしに広がる別府湾。左手には高崎山の稜線が海に落ちこみ,湾の向こうには温泉郷の湯煙,その奥に屹立する鶴見岳....。かつての春日浦の夢幻の風景がよみがえる。

春日浦からの別府湾の眺め
現在の海岸には,松林も砂浜もないが,遠く横たわる山々は,古人が讃えたものと同じ姿なのだろうか。
燈台の向こうが高崎山。その右肩,別府湾のはるかかなたに由布岳や鶴見岳を望み,その下には別府の町並みも見える。

(大分県大分市勢家町4丁目,JR大分駅より徒歩20分)
2003年11月13日


大分市神社探訪