大分神社探訪

宇佐神宮上宮宇佐神宮境内)

宇佐神宮上宮
宇佐神宮の広大な境内の南東隅に小椋山(亀山)の上に,宇佐神宮の本殿が建っている。
参道を少し下ったところに鎮座する下宮に対して,ここは「上宮」と呼ばれる。宇佐神宮の中心である。

宇佐神宮西大門
参道を進むと,文禄年間(1592-1596)の造営という西大門(大分県の重要文化財)がある。
門の向こう左奥に,本殿を囲む回廊(上宮)がある。
宇佐神宮上宮
回廊の中央に聳えるのが南中楼門(勅使門)である。
この門は,高良大明神と阿蘇大明神を祀る善神王神社(ぜじんおうじんじゃ)でもある。
上宮の本殿は回廊の内側に並んでいる。
回廊内の三棟の本殿の中央,すなわち楼門の背後に位置する「二之御殿」は前面に申殿(もうしでん)があり最も豪華であるが,これは応神天皇(八幡大神)ではなく比賣大神(ひめおおかみ)を祀る社殿である。
宇佐神宮一之御殿宇佐神宮二之御殿
上の写真は,左が八幡大神を祀る「一之御殿」(725年創建)の正面。右が比賣大神を祀る中央の「二之御殿」(733年創建)と申殿。右隅にわずかに見えるのが神功皇后(じんぐうこうごう)を祀る「三之御殿」(823年創建)。
宇佐神宮は早くから式年遷宮が繰り返され,戦乱によってその制が絶えた後も大名による建て替えが続いた。
国宝に指定されている現在の本殿は,文久三年(1863)の竣工である。
上宮の回廊の内側には三棟の本殿のほか,北辰神社春日神社住吉神社があり,また回廊に八子神社が祀られている。

宇佐神宮一之御殿
本殿を真横から見ると,二つの屋根が前後に連結されたいわゆる「八幡造」の様式がよくわかる。
写真は応神天皇が鎮座する「一之御殿」の屋根。
回廊の内側にあるため本殿の全貌は見えないが,大分市の柞原八幡宮で同じ様式の建造物を間近に見ることができる。
柞原八幡宮本殿
写真は柞原八幡宮の本殿(嘉永三年〈1850〉,国の重要文化財)。

なお,宇佐神宮の参拝の作法は一般の神社とは異なり「二拝四拍手一拝」とされる。(出雲大社や新潟の弥彦神社も同様の作法とされている。)

(大分県宇佐市南宇佐2859)
2003.11.14, 2017.6.14, 2017.11.12
八幡総本宮 宇佐神宮(公式サイト)


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