大分神社探訪

天祖神社(由布市湯布院町川上〈ゆふいんちょうかわかみ〉)

湯布院町の天祖神社遠景
天祖神社は,温泉と冷泉が湧出する金鱗湖のほとりに鎮座する古社である。
湖の対岸から,湖中に建つ石の鳥居が見える。かつて佛山寺(天祖神社の南方200メートルにある臨済宗の古刹)にあった金毘羅宮が,明治の神仏分離政策によって当社に移されたが,湖中の鳥居(天保七年の刻字がある)はその時いっしょに移されものである。
境内の鳥居には「天保七年申年正月」の刻字がある。
天祖神社遠景天祖神社鳥居
社殿の案内版によると,第十二代景行天皇の時,速津媛(注)に勅して皇祖霊神を祀ったことに始まり,祭神は,天御中主命,素盞嗚男命,軻遇突智命,事代主命。
(注):『日本書紀』によると,豊前から南下して速見邑(はやみのむら)に入った景行天皇の軍は「速津媛」に迎えられたとされる。早くから大和政権に服属した勢力がこの地に存在したと思われる。

天祖神社拝殿天祖神社本殿内部
拝殿は扉もなく,開放的である。本殿脇には古風な狛犬の姿が見える。

(大分県由布市湯布院町川上,JR由布院駅より徒歩20分)
2003.5.25, 2005.11.22


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