諸国神社めぐり

阿蘇神社(阿蘇市一の宮町宮地〈いちのみやまちみやじ〉)

阿蘇神社
阿蘇神社は,JR(豊肥本線)宮地駅の北1キロメートルに鎮座する。
起源は火山を崇める太古の土着信仰に由来すると思われるが,この地を開拓した神武天皇の孫・健磐龍命(たけいはたつのみこと)ほか諸神を祭祀する。
社伝によると,人皇第七代・孝霊天皇の九年,速瓶玉命(はやみかたまみこと)に勅命がくだって阿蘇宮が創立されたという。
さらに景行天皇の十八年,惟人命(これひとのみこと)が初代の大宮司となり,今に至るという。
拝殿の奥に神殿が3棟あり,計13座が祀られている。このうち健磐龍命と阿蘇都媛命(あそつひめのみこと)は,「延喜式」所載の「健磐龍命神社」(一の宮)と「阿蘇比咩神社」(二の宮)の二座にあたる。
阿蘇神社(一の神殿正面)阿蘇神社・一の神殿
左の神殿(一の神殿)は天保十一年(1840)の造営で,「一の宮」の健磐龍命のほか,國龍明神,彦御子明神,新彦明神,若彦明神の計5柱を祀る。

阿蘇神社(二の神殿)
右の神殿(二の神殿)は天保十二(1841)年の造営で,「二の宮」の阿蘇都媛命のほか,比咩明神,比咩御子明神,若比咩明神,新比咩明神,彌比咩明神の計5柱を祀る。

阿蘇神社(別殿)
中央の神殿(諸神殿)は天保十三(1842)年の造営で,「別殿」とも呼ばれ,「十一の宮」の國造明神(速瓶玉命)と金凝明神を祀っている。

阿蘇神社の楼門
重厚な楼門は,嘉永二年(1849)建造の貴重な文化財である。

(熊本県阿蘇市一の宮町)
2004.4.4


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