大分市神社探訪

熊野神社(大分市津守〈つもり〉)

津守の熊野神社
熊野神社は碇島(碇山)の山頂に鎮座する。
伝承によると,建久七年(1196)に豊後守護職となった大友能直が紀州熊野三山から勧請して創建したという。当時の社地は「庄ノ元」という場所であった。
江戸時代になって,津守に配流となった越前の松平忠直(一伯公)が当社を篤く崇敬し,社殿等を再建した。
明治四十四年(1911)に現在の碇島に遷座した。そのさい,もともと碇島に鎮座した愛宕神社を合わせ「津守神社」と改称したが,昭和六年には社号を「熊野神社」に戻した。
祭神は,国狭槌尊,豊斟渟尊,伊弉冉尊,事解男命,速玉男命,軻遇突智命。
津守の熊野神社社殿正面津守の熊野神社社殿屋根
凝った瓦の意匠は中央町の天満社長浜神社に類似の様式である。
津守の熊野神社本殿
本殿は,明治四十四年の遷座の際に旧宮地から移したものだという。

津守の立石尾神社津守熊野神社境内の金比羅宮
境内にはこのほか立石尾神社(左)と金比羅宮(右)が祀られている。
立石尾神社はもと「立塩社」と称し,村内の立石尾に鎮座した。寛保三年(1743)に社殿が倒壊し,康永4年(1345)の年号のある「立石尾社」と刻した石が出たという。したがって南北朝以前創立の古社であるが,祭神などは不明。
津守の熊野神社狛犬

(大分市津守,JR滝尾駅より徒歩15分)
2005.4.1


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